「自分の給料って、他の技師と比べて高いの?低いの?」
「放射線技師の仕事は好きだけど、正直、もう少し年収が上がったら嬉しいな…」
毎日一生懸命働いていると、自分の給与明細を眺めながら、そんな風にテンションが下がることはありませんか?
この記事では、そんなあなたの疑問やモヤモヤを解消するため、政府の公的な最新データを元に、放射線技師のリアルな平均年収を、年齢や性別、施設の規模別に徹底解説します。
さらに、ただデータを示すだけでなく、私たち現役技師の視点から、年収をあと一歩引き上げるための具体的な5つのアクションプランを提案します。
この記事を読めば、あなたが今どの位置にいるのかが客観的に分かり、明日から何をすべきかという具体的な道筋が見えてきます。
結論から言うと、放射線技師の年収は決して低いわけではありませんが、キャリアの選択と行動次第で、まだまだ伸ばせる可能性に満ちています。
信頼性No.1!公的データで見る放射線技師の平均年収

まずは、最も信頼できる政府の公的統計データを元に、放射線技師のリアルな年収を見ていきましょう。噂や個人の感覚ではなく、客観的な事実を知ることが第一歩です。
- 平均年収: 約548万円
- 月収(きまって支給する現金給与額): 約37.6万円
- 年間賞与その他特別給与額: 約96.6万円
【参照先: 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和5年版)】
※上記は企業規模計(10人以上)の男女計の平均値です。手取り額ではなく、税金や社会保険料が引かれる前の「総支給額」であることにご注意ください。
この約548万円という数字、皆さんはどう感じましたか?
参考までに、同じ調査における日本の全労働者の平均年収は約497万円(※)です。
これと比較すると、放射線技師は専門的な知識と技術が求められる国家資格職として、社会全体で見ても比較的手厚い給与水準にあることが分かります。
また、他の主なコメディカル職種と比較してみましょう。
- 看護師:約508万円
- 臨床検査技師:約502万円
- 理学療法士・作業療法士等:約430万円
これらの数字と比べても、放射線技師の給与水準は決して低くはないと言えそうです。
ギシコ「え、思ったより高い!」って感じましたか?それとも「それでも低い…」と感じましたか?こうして他の職業と比べてみると、客観的な立ち位置が見えてきますね。
※参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
(賃金構造基本統計調査とは調査対象や方法が異なるため、厳密な比較ではなく、あくまで参考値として捉えてください。)
さらに詳細!年齢・性別・施設規模別の放射線技師の平均年収


全体の平均年収を見ても、「じゃあ、結局のところ自分の給料は適正なの?」という疑問は、なかなかわきにくいですよね。
「同年代の技師は、一体いくらくらい貰っているんだろう?」
「女性技師としてのキャリア、将来の年収はどうなるのかな?」
「やっぱり、大きな病院に勤めている人の方が給料は高いのかな…?」
きっと、あなたが本当に知りたいのは、そうした「自分に近いリアルな数字」のはずです。 そこで、ここからは公的データをさらに深掘りし、「年齢」「性別」「働いている施設の規模」という3つの切り口で、よりあなたの現在地に近い平均年収を明らかにしていきます。
ご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてください。きっと、新たな発見があるはずです
年齢階級別の平均年収
20代、30代、40代…と、年齢が上がるにつれて年収はどう変化するのでしょうか。経験と共に給与が上がっていく様子が分かります。
| 20~24歳 | 約382万円 |
| 25〜29歳 | 約463万円 |
| 30~34歳 | 約510万円 |
| 35~39歳 | 約556万円 |
| 40~44歳 | 約591万円 |
| 45~49歳 | 約633万円 |
| 50~54歳 | 約680万円 |
| 55~59歳 | 約697万円 |
出典:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査



30代から40代にかけて、年収の伸びに差が出てくるのが分かりますね。
男女別の平均年収
男性と女性で、年収に差はあるのでしょうか?同じ専門職ですが、現状ではまだ差が見られます。
- 男性の平均年収: 約580万円
- 女性の平均年収: 約487万円
出典:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
約100万円近い差があるこの結果を見て、「どうしてこんなに違うの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。これは、単純な性別による給与格差というよりは、働き方の違いが大きく影響していると考えられます。
◯役職者の割合
現状では、技師長や主任といった管理職に就いているのは、まだ男性の割合が高い傾向にあります。役職手当がつくことで、男性全体の平均年収が引き上げられている一因です。
◯勤続年数とライフイベント
女性は、結婚や出産、育児といったライフイベントを機に、一度職場を離れたり、勤務時間を短縮したりすることがあります。これにより、平均勤続年数が男性より短くなり、昇給のペースが緩やかになることが、年収差に繋がっていると考えられます。
◯雇用形態と働き方の選択
子育てとの両立などを理由に、夜勤のないクリニックを選んだり、パートや時短勤務といった柔軟な働き方を選択する女性技師も多いです。夜勤手当の有無や、常勤か非常勤かの違いが、年収に大きく反映されます。



最近は女性の技師長も増えていますし、育児をしながらキャリアアップしている女性も増えてますね。昔に比べて、女性が長く働き続けやすい環境は確実に整ってきているので、この年収差も少しずつ縮まっていくと思います。
施設規模別の平均年収
働く病院やクリニックの規模によっても、年収は変わってきます。一般的に、規模が大きい施設の方が給与水準は高い傾向にあります。
- 10~99人規模: 約482万円
- 100~999人規模: 約532万円
- 1,000人以上規模: 約614万円
出典:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査



大きな病院の方が年収は高い傾向にありますね。これは、基本給の高さに加えて、夜勤手当や役職手当、充実した福利厚生などが影響していることが多いです。



ただ、私みたいに日勤のみのクリニックでも、専門性を高く評価されて、総合病院の年収以上を得ているケースもありますよ!
現役放射線技師が解説!年収アップさせるためのロードマップ


さて、放射線技師のリアルな年収データを見て、あなたは何を感じましたか?
「平均くらいで安心した」「思ったより低くて不安になった」など、様々だと思います。
しかし、どんな状況であれ、あなたの年収は行動次第でまだまだ伸ばせると断言します。
ただ漫然と働くだけでなく、少し視点を変えて戦略的に動けば、年収を30万円、50万円、100万円と引き上げることは決して夢物語ではありません。
ここからは、私たちが現場で見聞きしたリアルな成功事例だけを元に、年収アップを実現するための「5つの戦略的ロードマップ」を具体的に解説します。
明日から実践できるものばかりなので、ぜひ「自分ならどれができるか」と考えながら読み進めてみてください。
戦略①:今の職場で「評価される人材」になり、昇給・昇進を掴む
最も堅実な方法ですが、ただ真面目に働くだけでは大きな昇給は望めません。「評価される技師」には共通点があります。



僕の病院で実際に評価されて昇進していく技師は、撮影が上手いだけじゃないんです。
例えば、「委員会活動でデータ分析を担当し、具体的な改善案を提示する」「他部署との連携を円滑にするため、勉強会を自主的に企画する」など、部署全体に貢献するプラスアルファの動きができる人です。
技師長が給与査定で見るのは、そういう「見えない貢献度」だったりします。
- 担当モダリティのリーダーや、新人教育係に自ら立候補する。
- 安全管理や被ばく管理など、診療報酬に関わる業務に積極的に関わる。
- 業務改善提案を、具体的なデータと共に上司に提出する。
戦略②:「資格手当」より「市場価値」を意識して専門性を磨く
資格取得は、スキルを客観的に証明し、年収を上げるための有効な手段です。しかし、ここで一つ重要な視点があります。
それは、目先の「資格手当」の金額だけでなく、その資格があなたの「市場価値」そのものをどれだけ高めるか、という視点です。
市場価値が高い、つまり「多くの医療機関が高い給与を払ってでも欲しがる」資格とは何でしょうか。具体的な例を、その根拠と共にご紹介します。
1. 超音波検査士
超音波検査の高度な知識と優れた技術を持つことを証明する専門資格です。
- 診療報酬への直接貢献: 超音波検査は、技師が実施しても診療報酬を算定できるため、あなたの働きが直接施設の収益に繋がります。そのため、給与面で高く評価されやすいのが特徴です。
- 幅広い需要: 病院はもちろん、健診センターや専門クリニック(乳腺外科、整形外科など)からの需要が非常に高く、好条件の求人が多数存在します。
2. マンモグラフィ撮影認定技師
乳がん検診におけるマンモグラフィの撮影技術や品質管理に関する、高い専門知識を証明する資格です
- 施設認定の必須要件: 「マンモグラフィ検診施設画像認定」を取得・維持するためには、A評価またはB評価を持つ認定技師の在籍が必須です。この認定は自治体の検診事業受託にも関わるため、施設にとって認定技師は不可欠な存在と言えます。
- 女性技師への強いニーズ: 受診者からの希望もあり、特に乳腺専門クリニックでは女性の認定技師を優遇する求人が多く見られます。
3. 各種撮影認定技師(CT/MRI/血管撮影など)
CT、MRI、血管撮影など、各分野における高度な専門知識と卓越した撮影技術を証明する資格です。
- 専門性の客観的証明: 特定のモダリティにおける高度な知識と技術を持つことの強力な証明になります。特に、循環器専門病院や脳神経外科に強みを持つ施設など、高度な撮影技術が求められる職場への転職で非常に有利に働きます。
- 教育・指導役としての期待: 認定技師がいることは、施設の技術レベルの指標となり、後輩技師への教育・指導役としての役割も期待されます。これが、役職手当や基本給の上乗せに繋がるケースも少なくありません。
4. 第一種放射線取扱主任者
放射性同位元素などを安全に取り扱うための監督者として、国から認められる国家資格で
- 法律上の設置義務: PET検査を行う施設や治療施設など、放射性同位元素を使用する施設では、法律で放射線取扱主任者の選任が義務付けられています。そのため、これらの施設にとっては「いなければ事業ができない」重要な存在です。
- 管理職へのキャリアパス: 放射線安全管理の責任者として、管理職への道が開ける可能性が高まります。これにより、役職手当などを含めた大幅な年収アップが期待できます。
これらの資格に共通しているのは、単なるスキル証明ではなく、施設の「収益」や「運営体制」に直接関わるという点ですね。だからこそ、施設側も高い給与を払ってでも確保したいと考えるわけです。



私も転職活動の際に、面接で「MRIの専門知識が、貴院の整形外科領域の画像診断にどう貢献できるか」を具体的に話したことで、高く評価してもらえました。自分のスキルが施設のどこに貢献できるか、という視点でアピールするのが重要だと思います。
戦略③:「技師×〇〇」のかけ算で、希少な人材になる
「私には、他の人に誇れるような特別なスキルなんてない…」
多くの技師がそう思っているかもしれません。しかし、これからの時代、放射線技師としての専門性だけでは、高い評価を得続けるのは難しくなる可能性があります。
そこで重要になるのが、「技師スキル × 〇〇」というスキルの「かけ算」です。
一つの専門性を極めるだけでなく、別のスキルを掛け合わせることで、あなたは「100人に1人」の希少な人材になれます。ここでは、あなたの市場価値を飛躍的に高める、具体的な「かけ算」の例をご紹介します。



最近だと、「技師×ITスキル」が熱いですね。私の後輩で、独学でPythonを勉強し、統計処理や報告書作成を自動化するツールを作って、技師長からめちゃくちゃ評価された子がいます。
- 技師 × IT: データ分析、プログラミング、院内SE的な役割
- 技師 × 英語: 外資系企業、国際学会での発表
- 技師 × ライティング: 医療系Webメディアでの記事執筆、マニュアル作成
- 技師 × デザイン: 学会発表用の質の高いスライドやポスター作成
近年、画像診断支援AIの導入が進んでいます。これを「仕事を奪う脅威」と捉えるのではなく、「AIを使いこなす」という新たなスキルとして身につける視点が重要です。AIが提示した候補を評価する能力や、AIの精度を管理するスキルは、今後「技師×AI活用スキル」として、最も市場価値の高い「かけ算」の一つになる可能性を秘めています。
戦略④:本業に活きる「副業」で、スキルと収入を同時に得る
年収アップの手段として、本業以外の収入源を持つ「副業」も現実的な選択肢の一つです。これは単なる収入増だけでなく、本業の給与だけに依存する将来的なリスクを分散させる意味でも有効です。
重要なのは、ただ時間を切り売りするのではなく、あなたの専門知識やスキルが活かせ、かつ本業との相乗効果(シナジー)が生まれる副業を選ぶこと。
【専門知識を活かす副業】
- 医療系Webライター/監修者: 医療メディアの記事を書いたり、内容の正しさをチェックしたりする仕事。最も始めやすく、専門知識が直接収入に繋がります。
- オンライン講師: 自分の得意なモダリティ(MRI、CTなど)について、新人技師や学生向けのオンライン勉強会を開催します。
- 電子書籍の出版: Amazon Kindleなどを使い、「新人技師向けの撮影マニュアル」といったテーマで電子書籍を出版することも可能です。
【PCスキルを活かす副業】
- 学会・勉強会資料の作成代行: PowerPointやKeynoteでの資料作成が得意な方向け。デザインスキルも磨かれます。
- 医療系動画の編集: 患者さん向けの説明動画や、院内教育用の動画コンテンツの編集を手伝う仕事です。
【時間を活かす副業】
- 単発の健診バイト(スポットバイト): シフト制の休日などを利用して、他の健診センターなどで一日単位で働く方法。即金性は高いですが、スキルアップには繋がりにくい側面もあります。
「私にできることなんて…」と思うかもしれませんが、放射線技師の専門知識や経験は、あなたが思っている以上に院外で価値を持つ可能性があります。
【副業を始める前の最重要注意点】
副業を始める前には、必ず勤務先の就業規則を確認してください。多くの医療機関では副業が禁止または制限されています。許可なく行い、万が一発覚した場合は懲戒処分の対象となるリスクがあることを、絶対に忘れないでください。また、年間所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です(国税庁HP参照)。



私は、ブログやWebライターの副業を始めて、文章力が上がったことで、本業での報告書やマニュアル作成が早くなりました。お金だけでなく、スキルも得られるなんて一石二鳥ですよ!



その通り。ただ、繰り返しになるけど就業規則の確認するのは忘れずに!自分の病院が副業OKかどうかを調べることから始めてね。
戦略⑤:自分の価値が最大化される場所へ「環境を変える」
これまでの4つの戦略は、今の自分や職場環境を「改善」するアプローチでした。最後の戦略は、そもそも「環境そのものを変える」という、最もダイナミックなアプローチです。
日々の業務でスキルを磨き、十分な貢献をしているにもかかわらず、それが正当に評価されていないと感じる。あるいは、今の職場の給与テーブルでは、将来的な年収アップに限界が見えている。
もしあなたがそう感じるなら、あなたの価値を、今よりもっと高く評価してくれる場所へ移る「転職」は、年収を飛躍的に向上させる最も効果的で、即効性のある選択肢となり得ます。



私自身、この「環境を変える」という選択をしました。結果として、年収は30万円アップしました。それは、前の職場では当たり前だった「整形外科領域のMRIスキル」が、転職先のスポーツ整形クリニックでは「喉から手が出るほど欲しい専門技術」として、高く評価してもらえたから。



まさにその通りだね。今の職場では評価されていないスキルでも、一歩外に出れば「宝」として扱われることは本当によくある。同じスキル、同じ経験でも、場所が変われば、その価値は全く変わるんだ。
もちろん、いきなり転職活動を始める必要はありません。大切なのは、まず「自分の市場価値を知る」ことです。
今のあなたが、他の医療機関から見たらどれくらいの価値があるのか。どんなスキルが求められていて、どれくらいの年収が提示される可能性があるのか。
それを知ることは、今の職場に留まるか、あるいは新しい挑戦をするかの、重要な判断材料になります。もし、今の年収が市場価値と比べて低いと分かれば、それは自信を持って転職活動に進むきっかけになるでしょう。逆に、今の職場が意外と好待遇だと分かれば、それは仕事へのモチベーションに繋がるかもしれません。
どちらに転んでも、あなたにとってプラスになるはずです。
自分の市場価値を知る最も簡単な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。あなたの可能性に少しでも興味が湧いたなら、ぜひ次のステップとして覗いてみてください。
>>【現役技師が解説】自分の市場価値を知る、たった一つの簡単な方法とは?
まとめ
今回は、公的データを元にした放射線技師の平均年収と、収入を上げるための具体的な5つの方法について解説しました。
あなたの現在の年収と比べて、いかがでしたでしょうか。
大切なのは、周りと比べて一喜一憂することではなく、「自分の理想の働き方と収入を得るために、次の一歩をどう踏み出すか」を考えることです。
今の職場でキャリアアップを目指すのも、新しいスキル習得に励むのも、素晴らしい選択です。
そして、もしあなたが「もっと自分の価値を評価してくれる場所があるかもしれない」と少しでも感じたのなら、情報収集から始めてみることを強くお勧めします。
まずは、自分の市場価値を知ることから。それが、あなたのキャリアをより豊かにする第一歩です。



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